私的イコライザー考(その1)
ラックスのリニアイコライザー、QUADのティルトコントロール、
名称は異るがどちらもほぼ同じ機能で、ある周波数を中心に、周波数特性をシーソーのように上昇下降させる。
世の中に登場したのは、リニアイコライザーのほうが先。
QUADがマネをしたのか、リニアイコライザーに刺激をうけてのものなのかはわからないが、
リニアイコライザーの考え方そのものが、なんとなく東洋的な思想によるもののような気もする。
高域側を2dB上げたら低域側を2dB下げる。低域を上昇させたら、同じレベルだけ高域を下げる。
その中心周波数はつねに同じ(ラックスとQUADでは、たしか中心周波数が異っていたはず)。
つまり、エネルギーの総和はつねに同じになる。
どこかをあげたら、同じ変化量だけどこかをさげる。
このことはイコライザーをいじる上で、大事なことではなかろうか。
もちろん中心周波数をきちんと決めた上で、である。
リニアイコライザーにしてもティルトコントロールにしても、こまかいイコライジングは無理である。
ならばもうすこし多ポイントで、リニアイコライザーと同じ思想のものは、どうだろうか。
たとえば中心周波数を640Hzとする。
1オクターブ下の320Hzを上昇させたら、 1オクターブ上の1.28kHzを、同じ量だけ下降させる。
というよりも、この場合、320Hzと1.28kHzのツマミはひとつで、
センターよりも時計方向に回したら1.28kHzが上昇し320Hzは下降する。
反時計回りだと、320Hzが上昇し1.28kHzは下降するという具合だ。
20Hzから20kHzまでは10オクターブ、
2オクターブ上は2オクターブ下と、3オクターブ上は3オクターブ下と……、
こんなふうにして、ツマミは5つ。
ユニークなイコライザーの出来上がり、かな。