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Date: 7月 17th, 2014
Cate: 日本のオーディオ

山水電気のこと(その1)

山水電気の倒産がニュースになっている。
二年ほど前だったか、事実上倒産状態になっているというニュースが流れていたから、
今回のニュースにさほど驚きはなかった。

twitter、facebookのタイムラインでも、サンスイの倒産は話題になっていて、
あえて検索しないでも、今回の倒産に関してのいくつかの記事へのリンクが表示される。
いくつか読んだ。
なぜ山水電気が倒産したのかについての考察もあった。食い足りなかった。

この記事を書いた人はオーディオマニアじゃないんだな、ということが伝わってくるし、
もしオーディオに関心をもっていた(いる)人であったとしても、
サンスイの製品を実際に見て触って聴いてきた人ではないな、という感じがした。

私にとっての最初で最後のサンスイの製品はAU-D907 Limited。
それから1982年から丸七年間、サンスイのあらゆる製品を見て触って聴いてきた。

それらのことを今回の倒産と結びつけて書こうと思えば書けるのだが、
ここで書くのはまったく違った視点からである。

1970年代後半、ステレオサウンドは「世界のオーディオ」という別冊を出していた。
ラックスから始まり、マッキントッシュ、サンスイ、アルテック、ビクター、パイオニア、テクニクス、
ソニー、オンキョー、タンノイと続いてた。

私はJBLが出るのを期待していた。
が結局、タンノイ号で最後になってしまった。

Date: 9月 21st, 2008
Cate: Harbeth, HL Compact 7ES-3, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その2)

デレク・ヒューズ設計の、HL Compact 7ES-3にぴったりのアンプが、
どんな感じに仕上がるのか、勝手に妄想するのも楽しいけれど、
現実の組合せを妄想するのは、もっと楽しい。

HL Compact 7ES-3を中心とした組合せを考えるとなると、
個人的に意識するのは、スペンドールBCII、ラックスLX38、ピカリングXUV4500/Qの音である。

この組合せの特質を、HL Compact 7ES-3の組合せにも求めたい。

友人のAさんは、販売店で聴いた、
ラックスのAクラスのプリメインアンプとの組合せの音に、まいってしまった、と話してくれた。
こういう話をきくと、ラックスの真空管式のプリメインアンプもいいだろうな、と思いながらも、
第一に試してみたいのは、ユニゾンリサーチのP70かP40である。

EL34のシングルアンプのS2の、余計なものを感じさせない音に魅力を感じるだけに、
ユニゾンリサーチ久しぶりのプッシュプルアンプの音は、いちばん興味のある音でもある。

別にS2でもいいような気もするが、パワーがすこし足りないだろうし、
音、というよりも響きの豊かさを求めるとき、すこし物足りなさを感じるだろう……。
それにP70、P40のガラスのフロントパネルを見ていると、
ラックスの過去の真空管アンプSQ5Bを思い出すのも、個人的に気にいっているところ。

Date: 9月 16th, 2008
Cate: 瀬川冬樹, 組合せ

ある組合せ

スペンドールのBCII、ラックスのLX38、ピカリングのXUV/4500Q、 
この組合せは、私にとって、いまでも特別なものである。 

熊本のオーディオ店のイベントに定期的に来られていた瀬川先生。 
ある時、イベントが終了して、まだすこし時間に余裕があったので、
瀬川先生が「今日ここにあるオーディオ機器で、聴いてみたい組合せや機種はありますか」
と言われたので、真っ先に手を上げてお願いしたのが、上記の組合せである。 

このとき、スピーカーは他にJBLの4341があったし、
アンプもマークレビンソンのLNP2やSAEの2500、
カートリッジもピカリングの他に10機種ほど用意されていた。 

BCIIは、別のイベントの時に聴いたことがあった。 
XUV/4500Qは、その日のイベントで聴いたばかり。 
LX38の音は、(たしか)耳にしたことはなかった。
十分にその素性を掴んでいるモノはひとつもなかった。
けれども、これら3つの組合せが、パッと頭にひらめいた。

もっと高価な組合せもお願いできたけれども、
どうしても聴きたかったのは、この組合せで、
BCIIの音に惹かれていただけに、もっともっといい音でBCIIを聴きたい、と思って、である。 

「BCIIにラックスのLX38で、カートリッジはXUV/4500Qでお願いします」と言ったところ、
瀬川先生が「これはひじょうにおもしろい組合せだ。ぼくも聴いてみたい組合せ」と言われ、
わくわくされている感じを受けた。 

そして鳴ってきた音は、いまでも憶えている。 

一曲鳴らし終わった後に、「いやー、これはほんとうにいい音だ。玄人の組合せだ!!」と言われ、
ちょうど最前列の真ん中の席が空いていたので、そこに座られ、
瀬川先生のお好きなレコードを、もう1枚かけられて、
そのときの楽しそうに聴かれていた表情と、「玄人の組合せ」という褒め言葉が、
二重にうれしかった。 

なにせ当時高校2年生(16歳)だった私は、
特に「玄人」という言葉が、うれしくてうれしくて、
ひそかに「才能あるんだな、オレ」と自惚れていた。 

「BCIIとLX38ですこし甘くなりがちになるところを、XUV/4500Qでピリッとさせる。
見事な組合せだ。BCIIとLX38がこんなに合うとは思わなかった」とも言われた。 

その約半年後に、ステレオサウンドの別冊として出たコンポーネントの組合せの本に、
カートリッジは異っていたけど、菅野先生も、BCIIとLX38を組み合わされている。

スペンドール、ラックス、ピカリングは、
私にとって、いわゆる黄金の組合せ、もしくは三位一体の組合せ、である。

Date: 9月 15th, 2008
Cate: イコライザー

私的イコライザー考(その1)

ラックスのリニアイコライザー、QUADのティルトコントロール、 
名称は異るがどちらもほぼ同じ機能で、ある周波数を中心に、周波数特性をシーソーのように上昇下降させる。 
世の中に登場したのは、リニアイコライザーのほうが先。
QUADがマネをしたのか、リニアイコライザーに刺激をうけてのものなのかはわからないが、
リニアイコライザーの考え方そのものが、なんとなく東洋的な思想によるもののような気もする。 

高域側を2dB上げたら低域側を2dB下げる。低域を上昇させたら、同じレベルだけ高域を下げる。
その中心周波数はつねに同じ(ラックスとQUADでは、たしか中心周波数が異っていたはず)。

つまり、エネルギーの総和はつねに同じになる。 

どこかをあげたら、同じ変化量だけどこかをさげる。 
このことはイコライザーをいじる上で、大事なことではなかろうか。 
もちろん中心周波数をきちんと決めた上で、である。 

リニアイコライザーにしてもティルトコントロールにしても、こまかいイコライジングは無理である。 
ならばもうすこし多ポイントで、リニアイコライザーと同じ思想のものは、どうだろうか。 
たとえば中心周波数を640Hzとする。 
1オクターブ下の320Hzを上昇させたら、 1オクターブ上の1.28kHzを、同じ量だけ下降させる。 
というよりも、この場合、320Hzと1.28kHzのツマミはひとつで、 
センターよりも時計方向に回したら1.28kHzが上昇し320Hzは下降する。 
反時計回りだと、320Hzが上昇し1.28kHzは下降するという具合だ。 

20Hzから20kHzまでは10オクターブ、 
2オクターブ上は2オクターブ下と、3オクターブ上は3オクターブ下と……、
こんなふうにして、ツマミは5つ。 

ユニークなイコライザーの出来上がり、かな。