Date: 7月 9th, 2011
Cate: 40万の法則
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40万の法則が導くスピーカーの在り方(その10)

一度はボツにしたアイディアは、いまになってこうやって、しかも長々と書いているのは、
やっと実現可能なスピーカーユニットが登場したからである。

マンガーのBWTである。

マンガーのBWTを日本で最初に紹介したのは、ラジオ技術だった、と記憶している。
製品紹介ではなく、技術紹介の記事だった。
この記事を読んだころは、ベンディングウェーヴということについて知識がなかったため、
しばらく理解できなかった。
スピーカーの理想は、より正確なピストニックモーションという考え方にとらわれていては、
マンガーのBWTの本質的なところが、欠点にさえ思えてくる。

正直、このときは、なにか不思議なスピーカーユニットが登場したな、ぐらいの感想しか持てなかった。
それから数年、BWTが日本に登場することはなかった。

1996年、オーディオ・フィジックから、このマンガーのWBTを採用したスピーカーシステムが登場した。
Medeaである。
このMedeaは、BWTを正面にひとつ、左右にそれぞれひとつずつ、計3発使っている。
通常のコーン型のウーファーもBWTと同じように3発。

Medeaを記事で見たとき、不思議なユニットを使ったスピーカーシステムがやっと登場した、
でもすこし変った構成のスピーカーシステムとして、と思ってしまった。

だが、このスピーカーシステムに対する井上先生の評価は高い。
これは、これまでの常識はいったん捨てた上で聴いておくスピーカーシステムだ、と思い直した。
でも残念ながら、Medeaはいまだ聴く機会がない。

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