Date: 6月 29th, 2011
Cate: Bösendorfer/Brodmann Acoustics, VC7
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Bösendorfer VC7というスピーカー(その17)

鉄(磁性体)がオーディオの系の中にあると、音を汚す、濁す。
だから徹底的に排除していくべきだ、という考え方は正しいと思う。
だからといって、絶対的なものである、とは思わない。

いまのところどうやっても電源トランスには鉄芯が、
スピーカーユニットには磁気回路に磁石と磁性体が、最後まで残ってしまう。

たとえ磁気回路を必要としないコンデンサー型スピーカーにしても、
昇圧のためのトランスが必要になってくる。ここに鉄心がある。

そうはいっても、信号系からひとつひとつ磁性体取り除いていく、
直接信号系に含まれていなくても、周辺にあるだけでも磁性体は影響を及ぼすから、
取り除いていけば、それだけの効果はある。

一般的に鉄(磁性体)は悪者ということになっている。
でもMC型カートリッジを例にとると、果して、磁性体は悪影響ばかりだろうか、とも思う。
MM型、MC型にしても磁石は必要とする。
スピーカーユニット同様、磁性体から逃れられないオーディオ機器のひとつである。

そのMC型カートリッジには、大きく分けてふたつある。
発電コイルの巻枠が磁性体か非磁性体か、である。

いわゆるオルトフォン型と呼ばれるMC型カートリッジは、巻枠に磁性体を使用している。
オルトフォンのSPUがその代表的なカートリッジであり、デンオンのDL103、EMTのTSD15などがある。

井上先生は巻枠に非磁性体を使用したカートリッジ(空芯型)を、純MC型とも呼ばれていた。
オルトフォンもMC2000で空芯型を発表、デンオンもDL303、DL305などは空芯型となっている。

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