Date: 3月 31st, 2012
Cate: モノ
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モノと「モノ」(その10)

この項の(その3)に、
レコードの値段を「音楽の値段」とイコールにできない、と書いた。

稀少盤と呼ばれているディスクには、関心のない人にとっては驚くような値段がついてるものがある。
稀少盤といっても、その値段の幅はじつに大きい。
新品で出た時にはほとんど同一価格であったレコードが、10年、20年経っていくと、
中古盤となったときの値段には大きな開きが生じてくる。

このことは、中古盤の値段イコール「音楽の値段」ということになる、といえるのだろうか。

同じ音楽をおさめたレコードでも、
オリジナル盤と呼ばれるものは高い値段がつき、再発盤にはそれほどの値段はつかなかったりするし、
国内盤となると、もっと値がつきにくかったりするわけだが、
あくまでもこれらのレコードに収められている音楽は──そこにクォリティの差はあるとはいえ──同じものである。

ということは、中古盤となったときのレコードの値段は、「音楽の値段」といえるのだろうか。
結局のところ、レコードの値段はどこまでいっても「音楽の器の値段」でしかない、と思う。

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