Date: 6月 18th, 2011
Cate: ワイドレンジ
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ワイドレンジ考(その73)

JBLの4343を例にとると、改めて書くまでもないことだと思うが、
ウーファーは15インチ、ミッドバスは10インチで、ほぼ黄金比となる。

少しばかりミッドバスが大きい、だから黄金比なんてのはお前のこじつけだ、と言われる方がいるかもしれない。
これもいうまでもないことだが、コーン型のスピーカーユニットの口径は、公称口径であって、
振動板の有効径ではない。
有効径は大略では、38cm口径だと33〜34cm、25cm口径だと20〜21cmあたりになる。
34cmで黄金比を出してみると、21.01cmとなる。

4343のウーファー2231Aとミッドバスの2121の有効径がどれだけなのか正確にはわからないけれど、
公称口径よりも有効径のほうが、より黄金比に近づいているはずだ。

4343(4341)が、4ウェイという難しい構成で成功をおさめた理由のひとつは、
このウーファーとミッドバスの口径比にある気がしてならない。

4343のウーファーとミッドバスのクロスオーバー周波数は300Hz。
300Hzだったら20cm(8インチ)口径のコーン型ユニットでも問題なくカヴァーできる。
そこに25cm(10インチ)口径をもってきている。

もちろん、その理由は音を聴いてのものであるけれど、それだけだろうかとも思う。

4341も4343もミッドバスの2121とミッドハイの2420+2307-2308はインラインで配置されている。
2121のフレームは八角形。正八角形ではなくフレームの外形横幅は260.4mmと236.5mmで、
4343、4341のユニットの取り付けだと横幅は236.5mmである。

そのすぐ上に配置されているスラントプレートの音響レンズ2308の横幅は254.0mm。
236.5mmと254.0mmで、その差は17.5mm。

これがもし20cm口径のミッドバスだとしたら、2115Aの寸法を187.3mmと209.6mm。
187.3mmと254.0mmの差は66.7mm。

2121と2308の横幅はほぼ同じなのに対し、2115Aと2308だと2308がずいぶん大きい。
この横幅がほぼ揃っていることが4343、4341のデザインを、
特に4343のデザインの完成度を高いものにしている。

ここは4343において、絶対に変更してはいけないポイントでもある。

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