BBCモニター考(余談・続×十五 K+Hのこと)
アナログ技術だけだった時代のオーディオよりも、
デジタル技術をとりいれることによってオーディオは、
ハードウェアとソフトウェアの融合が一歩も二歩も先に進んだ、
そしてK+HのO500Cは、その成功例のひとつだ、と私は思っている。
技術は進歩していても、2000年の時点で、O500Cがあれだけの特性を実現できたのは、
ハードウェアの進歩だけではなくて、
スピーカーのコントロール/マネージメントというソフトウェアがあってこそもののはずだ。
今日現在、O500Cの後継機種の情報はなにもない。それでも必ず出てくるはずだと思っている。
なぜかといえば、O500Cが、1976年に登場したO92からつづくFollow-up modelであるからだ。
しかもO500Cはフラッグシップモデルでもある。
そしてハードウェアとソフトウェアが、もっとも緊密に融合したスピーカーシステムでもあるからだ。
このO500Cが、このまま消えてしまうのは、なんとももったいないことであり、大きな損失ではないだろうか。
O500Cは実物を見たこともないから音も聴いたわけではない。
それでもひとついえることは、従来のスピーカーシステムよりも部屋の影響を受けにくい、
部屋との相性をそれほど問題にしなくてもすむスピーカーシステムだと予想する。
それはO500Cのインパルスレスポンスと累積スペクトラムの特性の見事な優秀さ、からである。