Date: 10月 16th, 2025
Cate: ハイエンドオーディオ
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ハイエンドオーディオ考(その 22)

マッキントッシュのゴードン・ガウの言葉がある。

「quality product, quality sales and quality customer」。
どれかひとつ欠けても、オーディオの世界はダメになってしまう──、
とゴードン・ガウは言っていた。

これまで、別項で何度も引用してきている。
この項でも、このゴードン・ガウの言葉を思い出す。

非常に高価なオーディオ機器を一式ポンと買っていく富裕層が、いまのハイエンドオーディオブランドの客だという話がある。

そうかも、と思う。
金額の桁が一つどころか二つほど違うオーディオ機器を、ポンと買える人たちを相手にした方が、商売の効率はいい。

そういう層の人たちがいるのはいい。
そういう層の人たちがいるから、ものすごいモノにメーカーも取り組めるという一面があるからだ。

でも、前回書いたことのくり返しになるが、そういう層の人たちは、
ゴードン・ガウのいうところのquality customerだろうか。

ゴードン・ガウがマッキントッシュからいなくなってずいぶん経つ。
マッキントッシュというブランドもずいぶん変った。

ゴードン・ガウがいた頃のマッキントッシュにとってのquality customerと、
不在の、いまのマッキントッシュにとってのquality customerは同じとは思えない。

このことはマッキントッシュだけに限ったことではない。
そしてゴードン・ガウのいうところのquality customerも、最初からquality customerだったわけではないはず。

だからこそ“quality product, quality sales and quality customer”なのだろう。

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