FRANCO SERBLIN Ktêma(その1)
ステレオサウンド 207号の特集に登場する49機種のスピーカーシステム。
いま世の中に、この49機種のスピーカーシステムしか選択肢がない、という場合、
私が選ぶのは、フランコ・セルブリンのKtêmaである。
別項「現代スピーカー考(その37)」で、以前、こう書いている。
いまもその想いは、ほとんど変らない。
ステレオサウンド 207号掲載の49機種のスピーカーから選ぶのであれば、
Ktêmaだし、233号のベストバイから選ぶとしても、
Ktêmaは、やはり鳴らしてみたいスピーカーの筆頭格だ。
それにしても233号のベストバイでは、小野寺弘滋氏の星二つだけである。
Ktêmaが登場して十数年。そんな扱いになるのか──、と思う必要はない。
いまだKtêmaの魅力は、少なくとも私の中ではまったく色褪せていない。
Ktêmaを聴いたのは、インターナショナルオーディオショウのブースだけである。
じっくり聴けたとも、きちんと聴けたともいえないぐらいだけど、
Ktêmaはいいなぁ、と思い続けているからこそ、
昨晩のaudio wednesday終了後の、常連のOさんの
「Ktêmaは貸しましょうか」の申し出は、
私にとって嬉しいを超えたものだった。
2月、3月、Ktêmaを鳴らす。