Date: 10月 9th, 2024
Cate: きく
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野口晴哉氏とWestern Electric 594A(その1)

別項で触れているように、野口晴哉氏の594A用の電源は、規定の電圧の六割程度まで落ちている。
原因はセレン整流器の劣化であろう。

励磁型スピーカーは、電源によって音が変化する。
バッテリーが一番というわけではない。
私が聴いた限りでは、タンガーバルブによる電源が圧倒的に凄かった。

けれど、あの音は家庭に収まるのか。
そんな疑問すらわいてくるほどに、すごい。

野口晴哉氏のリスニングルームならば、タンガーバルブの電源であっても、
無理なく置けるけれど、それを維持するのは──、
そのことを考えると、タンガーバルブの電源は、
魅力的であっても候補から外れていく。

私が考えている本命は、定電流電源である。
回路は定まっていても、すぐに手をつけられるわけではない。

特に今回は今月20日までに間に合わせる必要があるから、
窒化ガリウムのスイッチング電源を使うことにした。

今日、その電源を594Aに接いできた。

三人で聴いていた。
最初の音を聴いて、皆驚くしかなかった。

三十年以上前に594Aの音は何度か聴いている。
それが基準になっているから、昨年5月の音を聴いた時に、
まず電源を疑ったわけだ。

今回のスイッチング電源は、間に合わせのモノだ。
それでも凄い、という表現がこれほどぴったりの音は他にない──、
そう断言できるほどの「凄さ」だ。

今日は規定の電圧による594Aの凄さを確認しただけだが、
来週はきちんと鳴らしていく。

それでも年内に594Aの本領発揮とまではいかないだろう。
2026年、野口晴哉氏没後五十年を最初のゴールと決めている。

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