Acoustic Research LST(その4)
マーク・レヴィンソンは、Amatiの出来にどの程度満足していたのか。
あの時点ですでに製造中止になってけっこう経っているLSTを、
あえて復刻したのだから、オリジナルのLSTになんらかの思い入れがあったと思われる。
マーク・レヴィンソンが手がけたスピーカーシステムは、
マークレビンソン時代にHQDシステムがある。
QUADのESLのダブルスタックを中心として、
ハートレーのウーファーとデッカのリボン型トゥイーターを組み合わせた、
かなり大がかりなシステムである。
ESLは横から見ると弓状に配置されていた。
HQDシステム登場の少し前に、
スイングジャーナルで長島先生がトリプルスタックをやられていた。
この時の音は、本当に凄かった、と、長島先生だけでなく、山中先生からも聞いている。
相当に凄かったのだろう。
このトリプルスタックとHQDシステムのダブルスタックは、
その配置からもわかるように狙いの違いがある。
長島先生のトリプルスタックは集中、
HQDシステムのダブルスタックは拡散といっていい。
どちらが優れているかは、どういう音を再現したいかによってわかれる。
おそらくだがマーク・レヴィンソンがトリプルスタックをやったとしても、
長島先生のトリプルスタックとは、その配置は違ったはずだ。