続・再生音とは……(生演奏とのすり替え実験・その7)
ビクターが五十年ほど前に数回行った生演奏とのすり替え実験。
いまの技術でもう一度やってみたら、どういうことになるのだろうか──、
オーディオマニアならば、そんなことを想像する人も少なくないだろう。
とはいえ、いま、そんな公開実験を行なうメーカーはない、とずっと以前からあきらめていた。
実際、生演奏とのすり替え実験はずっと行われていない。
先月、ソーシャルメディアを眺めていたら、
無人オーケストラコンサートの告知が表示された。
なんだろう? と思って詳細をみたら、
文字通りの無人オーケストラによるコンサートである。
ホールのステージには、椅子がある。
そこに演奏者が座っているのではなく、スピーカーが置かれている。
一度録音して、それをスピーカーから再生するというコンサートで、
スピーカーの数はオーケストラの演奏者の数と同じである。
これはなにがなんでも聴いておかなければ──、と思った。
それからfacebookでシェアした。
オーディオマニアならば関心をもつ人が多いはず、と思ったけれど、
予想に反し、いいねをつけてくれた人は二人だけだった。
そんなものなのか……、と思っていた。
昨日(3月25日)、横浜みなとみらいホールに行ってきた。
無人オーケストラコンサートを聴くためである。