Date: 1月 26th, 2023
Cate: 戻っていく感覚
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アキュフェーズがやって来た(その6)

瀬川先生が、《国産の水準を知る最新の標準尺》として、
ヤマハのC2とB3を捉えられていたのは、その音についてであるわけなのだが、
はたして音だけのことなのか、と、
アキュフェーズの2000年ごろの製品四機種を毎日眺めていると、そう思ってしまう。

C2とB3の組合せを《国産の水準を知る最新の標準尺》と評されたのは、
ヤマハのデザインを抜きにしては語れないように、いまは思っている。

私が、二十年ほど前のアキュフェーズの製品を前にして、
《国産の水準を知る最新の標準尺》ということを考えているのは、
そのデザインを抜きにすることはできない。

はっきりいえば、いまのアキュフェーズのデザインを少しもいいとは感じていない。
音だけでいえば、いまのアキュフェーズは、私のところにやって来た二十年ほど前の製品よりも、
ずっと高性能だし、音の優秀なことに違いない。

それでも個人的に、いまのアキュフェーズを《国産の水準を知る最新の標準尺》として見ること、
そして聴くことができるのか、と自問すると、
ここでもくり返しになるが、ステレオサウンドの試聴室という空間ではそうであっても、
自身のリスニング空間においては、無理かも……、としかいえない。

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