SATURDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO(その8)
ギターは小さなオーケストラ、といわれていることは昔から知ってはいた。
知ってはいたけれどそう実感したことはなかったから、
そういうふうにいうんだなぁ、ぐらいだったのが、
“Friday Night in San Francisco”を聴くまでだった。
“FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO”は、
ギターが小さなオーケストラであることを実感できたし、そのことが衝撃でもあった。
そしてギターという小さなオーケストラは、凝縮されたオーケストラでもあった。
“FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO”を四十年ほど聴いてきて、
ギターは魂に最も近い楽器だ、と感じるようになってきた。
ここでの魂は、弾き手の魂なのだが、
そこにとどまらず聴き手の魂にも最も近い楽器だと思っている。
“FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO”も“SATURDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO”も、
まさにそうである。
そういう音で鳴ってくる。