Date: 8月 9th, 2022
Cate: 真空管アンプ
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真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その4)

ステレオサウンドにいたころ、あるメーカーの人に訊ねたことがある。
その人によれば、修理用の部品にも税金がかかる、とのことだった。
もちろん、それらの部品を保管する場所が必要だし、
部品を劣化させないためにも空調設備も必要になってくる。

製造したモノをいつまでも修理できるようにするのは、
そうとうにコストがかかる、ということだった。

上杉研究所は、ウエスギ・アンプに関しては、ユーザーは心配する必要がない。
素晴らしいことだけれども、これは上杉研究所の規模だから可能だった、ともいえる。

上杉先生は、真空管を十万本以上ストックされていた、と記憶している。
それだけの本数があれば、ウエスギ・アンプに関しては真空管の心配はなくなるけれど、
たとえばラックスの規模となると、そうではない。

50CA10が製造中止になるときに、ラックスは製造元のNECから十万本ほど購入している。
50CA10だけで、この本数である。

十分な数のように思った人もいるかもしれないが、
生産台数の桁が違えば、十万本のストックは底が尽きる。
実際、そうなってしまっているから、50CA10の新品の入手はまず無理である。

ちなみに50CA10を補修部品としてラックスから購入した場合、
1975年時点では、一本1,400円だった。
KT88が9,000円、6336Aが18,000円、EL34が1,200円(いずれも一本の価格)。

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