Date: 5月 16th, 2022
Cate: 黄金の組合せ
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黄金の組合せ(その36)

黄金の組合せで思い出すことが、一つ私にはある。
瀬川先生が熊本のオーディオ店に定期的に来られていた時のことだ。

別項「ある組合せ」ですでに書いているが、
私の希望でスペンドールのBCII、ラックスのLX38、ピカリングのXUV/4500Q、
この組合せが鳴らした音は、いまでもはっきりと思い出せるだけでなく、
その時、瀬川先生が「これはひじょうにおもしろい組合せだ。ぼくも聴いてみたい組合せ」と言われた。

一曲鳴らし終った後に、
「いやー、これはほんとうにいい音だ。玄人の組合せだ!!」と言ってくださった。
ちょうど最前列の真ん中の席が空いていたので、そこに座られ、
瀬川先生のお好きなレコードを、もう一枚かけられて、
そのときの楽しそうに聴かれていた表情と、「玄人の組合せ」という褒め言葉が、
高校生だった私には、二重にうれしかった。 

この組合せは、黄金(絶妙)の組合せ、といっていいかもしれない。

BCIIもLX38も、音の輪郭が甘いほうである。
そこに同じ傾向のカートリッジをもってきては、どうにも聴けない音になってしまうところを、
カートリッジにXUV/4500Qをもってきてピリッとさせる──、
そんなふうに瀬川先生が解説してくださった。

「BCIIとLX38がこんなに合うとは思わなかった」とも言われた。 
その約半年後に、ステレオサウンドの別冊として出たコンポーネントの組合せの本に、
カートリッジは異っていたけど、菅野先生も、BCIIとLX38を組み合わされている。

なのでBCIIとLX38の相性はかなりいいといえる。

1 Comment

  1. Hiroshi NoguchiHiroshi Noguchi  
    5月 16th, 2022
    REPLY))

  2. 昔ラックスのキットでel34を3極接続して、プリは自作できないので、友人に作って貰ったのの後は、留学した時手に入れたカウンターポイントsa3.1にμのプレーヤーとゴールドバグメデューサでBCIIを鳴らしていました。ちなみにsa3は900ドルで手に入れました。ドルが88円ぐらいに下がった頃です。
    LX38もですが、ピッカリングに目をつけられた慧眼!
    尖ったと評されていましたが、高域がBCIIの特徴を生かしているのではないでしょうか。始めエンパイアを使っていたのですが、ピアノにはどこか物足りずゴールドバグに替えた覚えがあります。ピッカリングにも興味はあったのですが高くて手が出なかったか、そこに回すよりLPとチケット代に使ったのかも知れません。

    1F

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