パッシヴ型フェーダーについて(その3)
パッシヴ型フェーダーを構成する部品の数は少ない。
ポテンショメーター(フェーダー)、筐体、入出力端子、内部配線材、ツマミ、
それからセレクターが必要であれば、これもである。
パッシヴ型フェーダーにくらべて、コントロールアンプとなると、
構成する部品の数は桁が一つではなく、二つ以上に多くなる。
部品の数は増やそうと思えば、かなり増えてくるものだ。
部品の数が多ければ、そのコントロールアンプが高性能かといえば、
そんなことはない。
部品の数によって、そのコントロールアンプの性能が決定されるわけではない。
とにかくコントロールアンプには、非常に多くの部品が使われている。
(その2)で、パッシヴな部品であっても、プリミティヴな部品であっても、
何かが失われ、何かが加わる、と書いた。
部品の数が少ない方が、何かが失われ、何かが加わることに関しては優位であり、
コントロールアンプよりもパッシヴ型フェーダーが、
その点に関しては優位といえば優位のはずなのだが、
実際にパッシヴ型フェーダーとコントロールアンプ(といってもピンキリなのだが)、
音の夾雑物が少ないといえるのは、確かにパッシヴ型フェーダーなのだが、
部品の数の多さのわりには、コントロールアンプもまた優秀といえる面もある。
なので、時々こんな妄想をしてみることがある。
コントロールアンプの部品は、それぞれに何かが失われ、何かが加わるを、
互いにうまく補っているようなところがあるのではないだろうか。
すべてのコントロールアンプで、そんなふうに感じるわけではないが、
優秀なコントロールアンプを聴いていると、こんな妄想をしている。