あるスピーカーの述懐(その22)
心に近い音がある。心に遠い音もある。
耳に近い音がある。耳に遠い音もある。
耳に近く、心に遠い音がある。
耳に遠く、心に近い音がある。
耳に遠く、心に遠い音と耳に近く、心に近い音ならば、
耳に近く、心に近い音を、誰もが選ぶだろう。
まさか耳に遠く、心に遠い音を選ぶ人はいないはずだ。
耳に近く、心に遠い音と耳に遠く、心に近い音。
どちらをとるのかは、人によってわかれるように思う。
この選択が、パッシヴな聴き手とアクティヴな聴き手の別れ道なのかもしれない。