JBL SA750(その19)
(その18)へのfacebookでのコメントに、OEMのことが出てきた。
過去のオーディオ機器にもOEMだったモノはいくつかある。
それらは、当時、OEMであることが、オーディオ雑誌に載ってたりしていたのか、とあった。
私が読み始めたころは、載っていた。
隠すようなことではなかったからだろう。
OEMとは、original equipment manufacturingの略であることは知られている。
私の認識では、OEMとは開発・設計などは自社で行い、
製造を他社に依託することだ。
アンプを中心につくってきたメーカーがカートリッジを手がけようとする。
けれどまったく異る部門ゆえに、カートリッジ専門メーカーと共同で開発していく。
そして製造も、そのカートリッジ専門メーカーにまかせる。
これもOEMである。
だから何も隠すようなことではないから、
すべてではないだろうが、当時は割とオープンに知られていた。
けれどJBLのSA750はOEMなのかというと、そうではない。
すでに発売されている他社の製品をもってきて、外装のみをつくりなおしただけといえる。
少なくともステレオサウンド 220号掲載のSA750の内部写真と、
インターネットで見ることのできるアーカムのSA30の内部写真を比較すれば、
同一のアンプとしかいいようがない。
他社が開発したモノが優れていて、
自社ブランドで出すことになんのためらいのない場合、
それが他社ブランドで市場に出ていなければ、
そして独占的に自社ブランドのみで売るのであれば、それも一つのやり方とは思うが、
JBLのSA750は、そういう例でもない。
まるごとアーカムのSA30といえる内容でしかない。
アーカムとJBLは、いまでは同じハーマンインターナショナルの傘下なのだから、
こういうやり方もありなのか。
ありだよ、という見方をしたとする。
それでもSA750が、単なるJBLの新製品ということであれば、まだいい。
けれどSA750は、JBL創立75周年記念モデルである。
しかもSA600のオマージュモデルということになっている。
このことが、どうしてもひっかかる。