Date: 8月 26th, 2021
Cate: 戻っていく感覚
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SAE Mark 2500がやって来る(コントロールアンプのこと・その13)

ステレオサウンド 50号の、新製品紹介の記事で、
マッキントッシュのC29とハルアンプのIndependence TypeIIが並んでの掲載は、
当時は感じなかったことだが、いま見るとなかなかに対照的なアンプを、
二台並べたものだな、と感心する。

それが当時のステレオサウンド編集部の意図だったのかどうかはなんともいえない。
注目度のかなり高い機種は2ページで、そこまでではないけれど高い機種は1ページ。
注目度がそれほどでもない機種は1ページに数機種という扱いだったから、
自然とそうなっただけのことだろう。

それでも偶然とはおもしろい。

C29はC28の後継機といわれていた。
C29の少し前に登場したC27はC26の後継機であった。

型番、フロントパネルからいえば、C29はC28の後継機といえる。
けれど回路構成に目を向ければ、C29はC32の機能簡略機である。

C26とC28は、いわゆるディスクリート構成だった。
C27もそうである。

C27の使用トランジスター数はかなり少ない。
この時代、すでに一般的になった差動回路を採用していない。
物理投入を得意とするアメリカとはおもえない最小限度の構成が特徴といえる。

C29はOPアンプによる構成だ。
C32もそうである。

価格的にはC27の上級機にあたるC29がOPアンプ構成である。
あのことは、マッキントッシュのアンプ設計のポリシーを考えていく上で、
見逃せないポイントである。

アメリカの、伝統あるマッキントッシュが、OPアンプを積極的に採用している。
一方の日本の歴史の浅い、規模も小さいハルアンプが、
意欲的な管球式アンプを世に問うている。

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