SAE Mark 2500がやって来る(コントロールアンプのこと・その5)
コンヴァージェントオーディオテクノロジーのSL1とSAEのMark 2500、
この組合せの音に関心はすごくあっても、現実的ではないのだが、
この組合せを思いついたきっかけみたいなことは、ずっと遡ったところにある。
セパレートアンプの場合、
同じブランドの組合せこそ最高という人がいる。
1980年代もなかばごろになると、
以前のように、コントロールアンプを得意とする、とか、
パワーアンプを得意とする、といったところは薄れてきたように感じていた。
ある程度キャリアを重ねてきたメーカーならば、
セパレートアンプならではの組合せ、
つまり違うブランドとの組合せをあれこれ試すのも面白いけれど、
落ち着くということでは同じブランドの組合せということになる。
確かにそうなのだが、オーディオはコンポーネントであり、
組合せを自由に試せることに楽しみがあると考える私は、
セパレートアンプは、あえて他社での組合せにこそ面白さがある、と捉えている。
その組合せのなかに、セパレートアンプならではの組合せは、
どちらかを管球式というのがある。
コントロールアンプを管球式、パワーアンプをソリッドステート、
その逆でコントロールアンプをソリッドステート、パワーアンプを管球式、
というのがある。
どちらがうまくいくかなんて公式みたいなものはない。
やってみるしかないわけなのだが、
個人的にはコントロールアンプを管球式というのが、好きである。
そのころ、そんな話を、オーディオ好きの人としていた。
その人は私よりも年上。彼は、私と反対でパワーアンプを管球式という考えだった。
彼は、管球式のコントロールアンプだとS/N比の点で不満があるからだ、と。
その頃はまだまだアナログディスク再生が、
コントロールアンプ選びでもウェイトが置かれていた時代で、
S/N比が……、という彼の主張も、アナログディスク再生に主眼をおいたものだった。