日本のオーディオ、これから(こんなことが起っている・その3)
今回の件は、どういう経緯でこれらの製品(ジャンク)が市場に出てきたのか、
そのへんの事情を知らずにヤフオク!で落札した人からすれば、詐欺といっていい。
となると事件なのではないだろうか。
いちばん悪いのは転売ヤーということになるだろうが、
中古オーディオ店は、買う時も売る時もわかっていたはずだろうから、
そうとうに悪(ワル)だといっていい。
以前、菅野先生がいわれていた。
オーディオの世界を悪くしているのは、オーディオ店だ、と。
もちろんすべてのオーディオ店が、ということではないのは、
話された菅野先生も聞く私もわかったうえでの話なのだが、
菅野先生の、このときの表情を私は忘れられないでいる。
そして、今回の、この事件のことを書きながら、以前書いたことを思い出していた。
2010年8月13日に、twitterに下記のことを投稿した。
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オーディオ業界もマネーゲームに翻弄されている、ときく。それによって復活するブランドもあれば、没落していくブランドもある。なのに、オーディオ誌は、そのことに無関心を装っているのか、関係記事が出ることもない。オーディオは文化だ、というのであれば、きちんと取材し報道すべきだろう。
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これに対して、あるオーディオ評論家から反論があった。
そんなことにステレオサウンドの読者は関心をもっていない、有意義な記事にはならない、と。
今回の事件のことも、オーディオ雑誌は記事にしないだろう。
オーディオ雑誌の編集者のなかには、すでに、この事件を知っている人もいるかもしれない。
それでも、どこも記事にはしないように思えてならない。
きっと十一年前に、
そんなことにステレオサウンドの読者は関心をもっていない、といってきたオーディオ評論家は、
今回も同じことをいうだろう。
有意義な記事にならない、とまたくり返すだろう。
オーディオ雑誌の編集者も、同じことをいうのだろうか。
そんなことに、うちの本の読者は関心をもっていない、と。
でも、今回被害にあった人たちのなかには、
オーディオ雑誌の読者もきっといることだろう。