リモート試聴の可能性(その11)
(その3)で、
自分のシステムの音を一度録音して、そのシステムで再生すると、
音の癖が二倍に強調される、というコメントがあったことを書いている。
なぜ、そうなるのか。
何を聴いているのか、ということにつきる。
つまり、そこで鳴っている音とそこで聴いている音の違いである。
自分のシステムで音楽を聴く、音を聴く。
それは、そこで聴いている音である。
自分のシステムの音をマイクロフォンで拾って録音し、
それをまた再生して聴くのは、そこで鳴っている音である。
マイクロフォンが捉えているのは、あくまでもそこで鳴っている音である。
もちろん、そこで鳴っている音すべてをマイクロフォンが捉えているわけではないが、
それでも、そこで鳴っている音をマイクロフォンは捉えている。
マイクロフォンが、そこで聴いた音を、われわれはオーディオを介して聴いているわけではない。
では、自分のシステムの音を、
誰か録音のプロフェッショナルに録ってもらったら、どうなるのか。
これは考えていくと、なかなかおもしろいことである。