40万の法則が導くスピーカーの在り方(D130と岩崎千明氏・その28)
一年半ほど前の記事を思い出していた。
タイトルは『「音楽は世界共通の言葉」という通説が間違っていた可能性』である。
詳細はリンク先を読んでほしい。
最後のところだけ引用しておく。
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しかし、チマネ族が使う楽器の音の上限は4000Hzよりもかなり低いものが多いにもかかわらず、チマネ族も西洋人と同様に約4000Hzまでは正確に聞き取れた一方で、それ以上になると音の違いが分からなくなってしまったとのこと。
この結果についてマクダーモット氏は「音が4000Hzを超えると、脳のニューロンの反応性が低下し、音の違いを判別することが困難になるのではないでしょうか」との推論を述べて、人間の音感の限界は文化ではなく生物学的な制限に起因したものだとの見方を示しました。
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推論であり、記事のタイトルにも《間違っていた可能性》とあるから、
数年後、十年後には、また別の推論が登場し、否定される可能性もある。
けれど、《音が4000Hzを超えると、脳のニューロンの反応性が低下》するというのは、
ひじょうに興味深い。
4000Hzは4kHz。
ここで述べてきているJBLのD130のトータルエネルギー・レスポンスで、
ほぼフラット帯域の上限が4kHzである。
4kHz以上の高域が不要とか、それほど重視しなくてもいい、といいたいわけではなく、
4kHzまでの帯域、40万の法則に従うなら100Hzから4kHzまでの帯域を、
きっちりとすることが、実のところ、想像以上に大事なことではないか──、
そういいたいのである。