試聴と視聴と……(その3)
瀬川先生が書かれている。
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スピーカーから出る「音」は、多くの場合「音楽」だ。その音楽の鳴り方の変化を聴き分ける、ということは、屁理屈を言うようだが「音」そのものの鳴り方の聴き分けではなくその音で構成されている「音楽」の鳴り方がどう変化したか、を聴き分けることだ。
(「マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ──あなたはマルチアンプに向くか向かないか──」より)
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これで五回目の引用だ。
何をいまさら──、という人もいよう。
けれど、人は大事なことから忘れていくものである。
この大事なことを忘れたまま、
(しちょう)に、試聴、視聴、はたまた為聴をあてめはるのかを考えたところで、
なにになろうか。