Date: 4月 29th, 2021
Cate: High Fidelity
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手本のような音を目指すのか(その8)

空冷ファンをもつパワーアンプがある。
よほど広い空間をもてないかぎり、空冷ファンはないほうがいいし、
単に空冷ファンが発するノイズだけでなく、
仮にそういったノイズが発生しなかったとしても、
ファンが廻るだけで音は影響を受けてしまう。

ファンはないほうがいいわけだが、
A級パワーアンプだと、ファンがついてたりする。
このファンの音も、時計の秒針のようにひじょうに気になる場合と、そうでない場合とがある。

常に気になるという人もいるだろうし、
まったく気にならないという人もいるだろう。
なので、気になる場合とそうでない場合とがあるというのは、
私の場合ということでもある。

なぜ、そうなのだろうか。
私は20代のころ、SUMOのThe Goldを使っていた。
A級動作、125W+125Wのパワーアンプで、
ファンはフロントパネルのすぐ後に二基あった。

しかもフロントパネルには空気を取り込むための四角い開口部が二つあったため、
ファンの音はけっこう大きかった。

AB級、400W+400WのThe Powerには、フロントパネルの開口部はなかったため、
ファンの音の聞こえ方はけっこう違う。

音を鳴らしていないと、The Goldのファンの音は、けっこう大きなと感じていた。
けれど音を鳴らし始めると、まったくとはいわないまでも、さほど気にならない。

一方で、パイオニアのExclusive M4は、A級50W+50Wで、
やはり空冷ファンを一基備えている。

音を鳴らしていないときのファン・ノイズは明らかにExclusive M4のほうが小さい。
国産アンプらしい、といえば、そうである。

なのに音を聴いていると、意外にもExclusive M4のほうが、
ファン・ノイズが気になったりしていた。

同じ場所での比較ではないから、厳密な比較なわけではないが、
それでも、この二つのA級パワーアンプのファン・ノイズに気になり方の違いは、
私にとっては時計の秒針の音と同じ存在のように感じられる。

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