オーディオ評論をどう読むか(その10)
ステレオサウンド 218号の特集に黛 健司氏が登場されてないことを嘆いたところで、
瀬川冬樹なんて過去の人でしょ、
瀬川冬樹の音の聴き方を知りたい人なんて、ごくごく少数だろうから、
そんなことステレオサウンド編集部は考えもしない──、
おそらくそうなのだろう。
けれど、ほんとうに瀬川冬樹に、ステレオサウンドの読者の大半は無関心といえるのか。
いま書店に並んでいる瀬川先生の著作集「良い音とは 良いスピーカーとは?」、
その奥付をみると、2020年9月(だったはずだ)で四刷となっている。
2013年に出た「良い音とは 良いスピーカーとは?」が、
七年経っても売れ続けているわけだ。
このことを知っているはずである、ステレオサウンドの編集部は。
そして今年は2021年である。
瀬川冬樹没後40年である。
一年前のステレオサウンド 214号には、
五月女 実氏の「五味康祐先生 没後40年に寄せて」という記事が載った。
今年は「瀬川冬樹 没後40年に寄せて」が載るのだろうか。