Date: 9月 24th, 2020
Cate: ケーブル
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結線というテーマ(その9)

私が働いていたころのステレオサウンドは、六本木五丁目にあった。
ビルの窓から顔を出せば東京タワーが、かなり大きく見える位置にあった。

六本木という繁華街、しかも東京タワーのすぐ近く。
オーディオ的な環境としては、そうとうに悪い。
だからこそ、セッティングに関しては鍛えられた、といえる面もある。

(その8)でちょっと触れたラインケーブルの引き回しの前に、
スピーカーケーブルの引き回しに関しては、
できるかぎり左右チャンネルのケーブルが同じところを通るように注意していた。

つまりFMのT字アンテナのようにスピーカーケーブルは配置する。
たったこれだけのことで、音場感はずいぶん改善される。

こんな引き回しだと左右チャンネルのセパレーションの確保が……、という人もいるだろう。
まったく影響がないとはいわないが、それ以上に、
左右チャンネルのスピーカーケーブルが物理的に離れてしまうことのデメリットが大きい。

蛇のようにくねくねした引き回しで、
部分部分で左右のスピーカーケーブルの距離が広がった狭まったりするようにすると、
とたんに音場感はこわれてしまう。

同じことがラインケーブルでも起るわけである。
ラインケーブルとスピーカーケーブル、どちらもケーブルであることに変りはないが、
スピーカーケーブルはスピーカーシステムに接続されるもので、
スピーカーは左右チャンネルで完全に独立している。

一方ラインケーブルは、コントロールアンプとパワーアンプ、
もしくはCDプレーヤーとコントロールアンプとのあいだを接続するケーブルで、
モノーラルパワーアンプ以外では、アースに関してはシャーシー内部で接続されている。

それでも同じ現象(音の変化)が、ラインケーブルでも起る。
このことで、DINケーブルのもつ優位性に気づくことができた。

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