Date: 8月 24th, 2020
Cate: 真空管アンプ
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五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その23)

初心者が真空管アンプを作りたい、というのであれば、
私は五極管のシングルアンプではなく、プッシュプルアンプをすすめる。

位相反転回路にP-K分割を採用すれば、真空管の数も抑えられる。
よほどまずい配線をやらないかぎり、ハムの心配もない。

シングルよりもプッシュプルのほうが、当然だが出力はとれる。
大型の出力管を最初から使わなくても、よほど低能率のスピーカーでないかぎり、
実用的な出力は、十分とはいわないまでも確保できる。

とにかくポピュラーな出力管を使ったほうがいい。
EL34もいい球だし、ラジオ球とバカにする人もいるようだが6V6もいい球だ。

これらの球ならば、インターネットで検索すれば、製作例はけっこう見つかる。
回路は自分で設計するのもいいが、最初は基本的な回路のほうがいい。

まずは一台をきちんと作ってからのことだ。
創意工夫していくにしても、もっと大がかり、本格的なアンプに挑戦するにしても、だ。

EL34、6V6のプッシュプルアンプでは、
《他人(ヒト)とは違うのボク》を満足させられないかもしれない。

だからといって、変に凝ったレイアウトにはしないほうがいい。
オーソドックスなレイアウトでやったほうがいい。

使用する部品に関しても、オーディオ用を謳っているモノは使わない方がいい。
信頼性のある部品を、まず使ってみることだ。

オーディオ用を謳っている部品のなかには、サイズがかなり大きかったりする。
このくらいのサイズなら……、と楽観しない方がいい。

極端に小さな部品も作業がしにくいが、大きい部品もけっこう苦労する。

こうやって書いていると、
ますます《他人(ヒト)とは違うのボク》を満足させるところからは遠ざかる。

それでいい、と私は考えている。
一台目の真空管アンプを、佇まいを多少なりであっても感じさせることができれば、
それで十分《他人(ヒト)とは違うのボク》であるからだ。

プリント基板は使わない方がいい。
初心者だからといって、プリント基板に頼ることだけは止した方がいい。

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