何を欲しているのか(サンダーバード秘密基地・その4)
「世代とオーディオ(実際の購入・その13)」へのコメントがfacebookにあった。
そこには、スペンドールのBCIIは欲しい製品ではあるけれど、
好きかどうかはわからない──、とあった。
これは、よくわかる。
ここでとりあげているデアゴスティーニからでている週刊サンダーバード秘密基地。
確かに小学生のころ、欲しかった。
けれど、サンダーバードの秘密基地のプラモデルが好きだったのか、というと、
そうでもなかった。
サンダーバードという番組は好きだった。
好きだったからこそ、テレビに出てくる秘密基地そっくりといえるものが欲しかった。
それは無理というものだと大人になればわかるけれど、小学生はそうではなかった。
欲しかったけれど、好きではなかった。
その気持は、別項で書いているマッキントッシュのMC2300やJBLの4310に対してもある。
MC2300が好きかといえば、微妙なところがある。
はっきりといえるのは嫌いではない、ということ。
MC2300の音だけで、これから先ずっと聴いていく、ということは、ごめんこうむる。
そんな気持ははっきりとある。
なのに欲しい、という気持がはっきりとある。
4310に対しても、MC2300とまったく同じとはいわないが、近い。
嫌いではない、と、4310についてもはっきりといえる。
4311は聴いているが、4310の音は聴いていない。
それでも4310の音だけでずっと私が好きな音楽を聴いていくのは、ちょっと無理である。
4310(正しくは4311A)の音は、うまく鳴ったときは惹かれるところがある。
これはMC2300も同じである。
どこか強烈に惹きつける魅力がある──、とはいわない。
まったくよさを感じない人がいるのも事実だからだ。
あくまでも私個人は、ということなのだが、
無性に聴きたくなる衝動が何年かに一回おとずれる(わきあがってくる)ということは、
惹きつけられるなにかを、感じとっているからなのだろう。
カートリッジだとエンパイアの4000D/IIIがそうだ。
好きではない。けれど、ある種の音楽、
それもたまに聴きたくなる音楽のためだけに欲しい、と若いころ思っていた。