Date: 7月 27th, 2020
Cate: 日本のオーディオ
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S氏とタンノイと日本人(その8)

アーデンがW66.0×H99.0×D37.0cmに対し、
スーパー・レッド・モニターとクラシック・モニターはW72.2×H109.5×D43.6cmとなっている。

重量はアーデンが43.0kg、スーパー・レッド・モニターらは65.0kgとかなり重くなっている。
スーパー・レッド・モニターは聴いている。
けれどエンクロージュアを叩いて見たことはない。
それでも、この重量からも、そしてオーディオ雑誌の記事でも、
アーデンよりもエンクロージュアがしっかりとしたつくりになっている、とのことだった。

スーパー・レッド・モニターとクラシック・モニターから少し遅れて、
SRM 15Xも発売になっている。
型番のSRMは、Super Red Monitorから来ている。

このSRM 15Xの外形寸法は、W65.0×H102.0×D42.0cmとアーデンと近い。
重量は51.0kgとアーデンよりも8kg重くなっている。

SRM 15Xはバスレフボートの数は三つ、スーパー・レッド・モニターらは四つ。
このことからもSRM 15Xはアーデンのエンクロージュアをよりしっかりとしたつくりにしたモノといえる。

だからといって、アーデン(正確にはこの時期にはアーデンIIである)との違いは、
エンクロージュアだけではなく、ユニットも違っている。

SRMの名が示すように、タンノイがスーパー・レッド・モニターと呼ぶK3808が搭載されている。
アルニコ磁石時代のタンノイの同軸型ユニットは、口径の違いだけだったが、
フェライト磁石の同軸型ユニットは、口径が同じでもいくつかのユニットがあった。

38cm口径ではK3808のほかに、クラシック・モニター搭載のK3838、
それからSRM 15X、アーデンII、バークレーII搭載の3828があった。

単売されていたユニットはK3808とDC386で、K3838は単売されなかった。
DC386が、HPD385Aの後継機(フェライト仕様)にあたるわけだが、
このユニットと3828が同じなのか、違うとすればどの程度なのかははっきりとしない。

アーデンIIとバークレーIIの初期の頃はDC386が搭載されていたはずだ。

この時代のタンノイのラインナップから、チェビオット、デボン、イートンは消え、
SRM 10B、SRM 12B、SRM 12Xがかわりに登場した。

さらにはSuper Red Cable 1というスピーカーケーブルも出ていたし、
さらに輸入元のティアックは、タンノイ用を謳ったセパレートアンプPA7とMA7が、
タンノイからはエレクトリッククロスオーバーのXO5000も登場した。

スーパー・レッド・モニターとクラシック・モニターには、
バイアンプ駆動用の端子も用意されていた。

この時代のタンノイは、じっくり聴いてみたかったけれど、それはかなわなかった。
タンノイをXO5000でバイアンプ駆動した音も、ひじょうに興味があった。
いつかステレオサウンドで記事になるはず、と期待していた。
けれど読める日はこなかった。

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