Date: 12月 29th, 2008
Cate: 4343, JBL
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4343と国産4ウェイ・スピーカー(その14)

コイルの性質には、いくつかある。

まず挙げたいのがレンツの法則と呼ばれているもので、コイルは、電流の変化を安定化する働きをもつ。
それまで無信号状態のところに信号が流れようとすると、それを流させまいと働くし、
反対に信号が流れていて、信号がなくなる、もしくは減ろうとすると、流しつづけようとする。
この現象は、中学か高校の授業で習っているはず。

このとき何が起こっているかというと、コイルからパルスが発生している。
このパルスは、ある種のノイズでもあり、他のパーツに影響をあたえる。

2つ目の性質は、相互誘導作用。
2つ以上のコイルが近距離にある場合、ひとつのコイルに流れる電力が他のコイルにも伝わる。
この性質を利用したものが、トランスだ。

3つ目は、共振。
コンデンサーと組み合せることで、電気的な共振がおこり、
ある周波数でインピーダンスが下がったり上がったりして、
電流が流れやすくなったり流れにくくなったりする。

コイルの性質とは言えないが、共振には機械的な共振もある。
音声信号が流れれば、少なからず振動する。

真空管アンプ全盛時代はそうでもなかったが、トランジスターアンプに移行してからは、
コイルの使用は、アンプでは敬遠されがちである。

やっかいな性質をもっているのは確かだが、コンデンサー型やリボン型などをのぞくと、
ほとんどのスピーカーの動作はコイルによって成り立っているのも忘れてはならない。

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