瀬川冬樹氏のこと(バッハ 無伴奏チェロ組曲・その2)
フルニエのバッハの無伴奏チェロ組曲は、LPで聴いていた。
アルヒーフの輸入盤で持っていた。
カザルスも、もちろん聴いていた。
CDになったのはいつなのか記憶にない。
CDでは、LPよりも多くのバッハの無伴奏チェロ組曲をもっていた。
カザルスはCDでも聴いていた。
なのにフルニエはCDでは買わなかった。
LPでも聴くことがなかったからだ。
フルニエの演奏が、つまらない、とか、聴くにたえない、とか、
そんなふうに感じていたわけでもなかったのに、いつしか聴かなくなっていた。
いま思うと、なぜなのか、われながら不思議でしかないのだが、
20代のころの私はそうだった。
(その1)を書いた四年前、もういちどフルニエを聴いてみようか、と思った。
瀬川先生の、ステレオサウンド 56号でPM510の記事中に出てくるバッハの無伴奏は誰だったか。
フルニエかもしれない、と思いつつも、
フルニエならば、アルヒーフ盤だったのか、それともフィリップス盤(こちらが新しい)なのか。
なんとなくフィリップス盤のような気がした。
フィリップス盤のフルニエは聴いていない。
聴いていないのに、何となくそんな気がしたから、探してみた。
アルヒーフ盤は、いまでも買える。
SACDも出ていたし、CD+Blu-Ray Audioでも出ている。
e-onkyoではMQAでも出ている(192kHz、24ビット)。
なのにフィリップス盤は、デッカ盤としても出ていなかった。
そんなに熱心に探したわけではなかったので、見つけられなかった。
先日のaudio wednesdayで、フルニエの無伴奏をかけた。
アルヒーフ盤(盤といっても、MQAなのだが)のほうだ。
コーネッタで聴いてみたかったから、当日の午前中に購入した。
聴いていて、フルニエだとしたらフィリップス盤だったのか、とおもっていた。