Bach: 6 Sonaten und Partiten für Violine solo(その3)
別項「218はWONDER DACをめざす(ENESCO PLAYS BACH SONATASを聴く)」で、
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータについて書いている。
そこではエネスコの演奏について、だった。
エネスコの無伴奏はめったに聴かない。
それでは誰の無伴奏をよく聴いているのかというと、シゲティが多い。
といっても、そんなに頻繁に聴いているわけではない。
エネスコにしろシゲティも、モノーラル録音である。
ヴァイオリン・ソロの録音、そして再生はなかなか難しいところがある。
へたなステレオ録音よりも、良質なモノーラル録音のほうがいい、と思うこともある。
それでもステレオでの無伴奏を聴くとなると、誰なのか。
クレーメル、ミルシテイン、アッカルドあたりなのか(にしても古いな、と自分でも思う)。
全曲でなければ、他にもいる。
最近ではファウストか。
CDは、わりとすぐに買って聴いた。
そのあとにLPとSACDが出てきた。
そこまで買おうとは思わなかった。
ファウストを絶賛する人がいるけれど、私はそこまで夢中になって聴けなかった。
私にとって、バッハの無伴奏のステレオ録音で、
エネスコ、シゲティに肩を並べる存在にであえてなかった気がしていた。
世の中には、どれだけのバッハの無伴奏の録音が出ているのか。
すべてを聴くことは、もう無理だと思っている。
そのなかに、であえた、とおもえる一枚があるのかもしれないけれど、
20代のころのように聴きまくる、ということは……、とも思うところがある。
そんな時だった。
e-onkyoでMQAでクラシックを検索して、シェリングの無伴奏を見つけたのは。
こういうのを灯台下暗しとでもいうのか。
シェリングの無伴奏は、私が20代のころ、評価が高かった。
特に皆川達夫氏は、畏敬の念をさえ禁じえない、
とまで高く評価されていた、と記憶している。
そうだ、シェリングがあったのだ。