Date: 4月 25th, 2020
Cate: アナログディスク再生
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電子制御という夢(その35)

SMEのロバートソン・アイクマンが、
《ソニーの電子制御アーム。これも私にとって興味をいだかずにはいられないものでした》
と語ったことが載っているステレオサウンドのオーディオフェアの別冊でのインタヴューでは、
もう一人、KEFのレイモンド・クックが、電子制御のトーンアームについて語っている。

クックは、1979年のオーディオフェアで興味のあったことの第一は、
スピーカーエンジニアということもあってだろうが、日本のオーディオメーカー各社から、
平面振動板のスピーカーが登場したことを挙げている。

第二が、電子制御のトーンアームである。
《ついに現われたかという感じなんですが、一方ではPCMディスクでしょう。この関係が今後どうなるのか、電子制御アームは今となってはおそすぎたのか、これは興味のあるところですね》
と語っている。

「ついに現われたか」ということは、
クックは、以前からトーンアームには電子制御が必要かどうかではなく、
電子制御のトーンアームの可能性を考えていた、ということなのか。

まったく考えていなかった者が「ついに現われたか」とはいわないだろう。
クックが、どういう電子制御のトーンアームを考えていたのか、
それはある程度具体的なことだったのか、
それとも漠然と電子制御のトーンアームを想像していただけなのか、
いまとなってはわからないが、妄想をふくらませるならば、
クックは、スピーカーの電子制御を考えていたのか。

もし考えていたとしたら、一般的なMFBとは違う電子制御だったのか。

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