シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(次なるステップは……・その2)
このあいだの日曜日、写真家の野上眞宏さんの写真展「ON THE ROAD」に行ってきた。
ギャラリーに着いたとき、入口のところに男性二人が雑談をしていた。
スピーカーについてのことだった。
「ON THE ROAD」には、野上さんのシステムが持ち込まれていた。
SICAのフルレンジユニットの自作スピーカー、メリディアンの218などである。
雑談の二人は、フルレンジユニットの次のステップについて話していた。
「トゥイーターをつけるのはいいけれどね……」
「そうそう、ウーファーをつけたら泥沼だよね」
「ほんとそうだね」
そんな会話だった。
この人たちのオーディオのキャリアがどのくらいなのかは知らない。
でも、そんなことは関係なく、
日本では低音に関して、こういう認識の人たちが、やはりいるということを再確認できた。
ずっと以前から「質の悪い低音ならないほうがいい」とか
「低音を出して苦労するよりも……」とかいう人はいたし、知っている。
日本ではスーパーウーファーがあまり売れない、と聞いている。
スーパートゥイーターはそこそこ売れるのに、
オーディオの醍醐味といえる低音再生のためのスーパーウーファーは芳しくないようで、
あるオーディオ店ではスーパーウーファーの買い取りは行っていない、らしい。
なぜか日本のオーディオマニアは、低音再生に臆病なところがあるようだ。
もちろん日本のオーディオマニアのすべてがそうなのではないことはわかっているが、
それにしても……、といいたくなるのは、
低音に臆病な人が少なくないからだ。
ちなみに野上さんは自宅ではエンテックのウーファーを使われている。