「言葉」にとらわれて(無限大バッフル)
平面バッフルの理想は、無限大バッフルだ、ということは、
昔からの定説となっている。
無限大バッフルを実現するのは不可能であっても、
できるかぎり無限大バッフルに近づけるために、
たとえばダイヤトーンはスピーカーシステムの測定で、
フロントバッフルを上に向けて、砂丘に埋めて行うことを1970年代にやっている。
広告にもなっているので、スピーカーが埋まっている写真が記憶にある人も多いだろう。
見渡す限り地平線であれは、無限大バッフルといってもいいだろう。
けれど、これはあくまでもスピーカーシステム一本における無限大バッフルでしかない。
つまり無限大バッフルという考えそのものが生れたのはモノーラル時代のことだ。
だからこそステレオ再生における無限大バッフルとは、
どういうことなのかを考えていけば、
巨大な平面バッフル・イコール・無限大バッフルではないことに気づく。