Date: 11月 26th, 2019
Cate: 598のスピーカー
Tags:

598というスピーカーの存在(KEF Model 303・その16)

サンスイのAU-D707とD607。
どちらがアンプ単体として優れているかといえば、D707であろう。

それにパネルデザインにおいても、D707のほうがいい。
D607もいいのだけれど、D707を見たあとでは、
ツマミが少なくなっていることが、どことなく足りないものがあるように感じさせる。

D607だけを見ていると、そんなふうには感じないのに、
D707と比較してみると、そう感じる。
D707の方が兄さんだな、とも思う。

その707は、D707になって電源トランスが二個から一個になっている。
この変更点をどう解釈するかは、いろいろある。

D607は左右独立電源トランスなのに、
上級機のD707は、前作707では左右独立だったのを左右共通にしているのだから、
理解に苦しむ──、という意見もあったはずだ。

電源トランスを左右チャンネルで独立させることのメリットもあればデメリットもある。
一つにまとめることも同じだ。メリットもあればデメリットもある。

サンスイがD707で目指した音では、電源トランスを一つにして、
その分大型にすることが効いているのだろう。
それはおそらく音の力強さとか充足感といったところと関係しているはずである。

D607では607が特色としていた音の面を活かす方向での、
左右独立電源トランスと出力段のトランジスターの数の少なさなのだろう。

井上先生がいわれている独特のプレゼンス、
菅野先生がいわれている音の空芯感、
これはD707にあまり感じられないところであり、D607ならではの音である。

サンスイのAU-Dシリーズにも、アンプの優劣は存在する。
それでも単なる優劣だけでなく、それぞれの価格のプリメインアンプとして、
このアンプならではの音のよさを失わないようにまとめあげている。

そこに気づくと、KEFのModel 303には、AU-D607をもってきたい。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]