Date: 8月 4th, 2019
Cate: きく
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カセットテープとラジカセ、その音と聴き方(余談・その21)

TC800GLと同時代のヤマハの製品は、
プリメインアンプのCA2000をみればわかるように、
そのジャンルの製品として、必要される機能はできるかぎり搭載しようとコンセプトがある。

CA2000は、その後に登場したA1とは違う。
メーターも搭載しているし、トーンコントロールはどちらもあるが、
A1にはターンオーバー周波数切替えはない。
フィルターはA1はローカットのみ、CA2000はハイカットも持つ。

PHONO入力もCA2000は、負荷抵抗の三段切替が可能。
テープモニターは、A1は一系統、CA2000は二系統、
モードセレクターも、A1は二点、CA2000は五点。
ミューティングはA1はなし、CA2000は-20dBである。

そしてCA2000はパワー段のA級/B級動作の切替えもできる。

CA2000にこれ以上の機能を搭載しようとすれば、
フロントパネルの面積がもっと必要になるほどに、
使い手が望む機能は、ほぼ備えている、といえる。

それはコントロールアンプのCIにもいえる。
そしてパワーアンプのBIもそうである。

CIはフロントパネルを視れば、それがどれだけ多機能なコントロールアンプなのかは、
誰の目にも明らかなのに対し、BIはちょっと違う。
別売のコントロールユニットUC-Iを取り付けていないBIは、
シンプルなパワーアンプにしかみえない。

けれどリアパネルをみると、スピーカー端子が五組ある。
これを活かすにはUC-Iが必要となる。

UC-Iを装備したBIは、五系統のスピーカー端子が使えるようになるだけでなく、
それぞれにレベルコントロールが可能にもなる。

そこまでの機能を必要とする使い手がどれだけいるのかといえば、そうはいなかっただろう。
それでも、この時代のヤマハは、それだけ機能を搭載した。

CA2000の機能、CIの機能もそうであろう。
すべての使い手が、すべての機能を使いこなしている、必要とするとは限らないが、
メーカーの都合で、使い手に不自由はさせない──、
そういうコンセプトが感じられる。

それはカセットデッキのTC800GLにもいえる。
だから据置型としても可搬型としても使えるカセットデッキなのである。

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