Date: 3月 26th, 2019
Cate: ディスク/ブック
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ブラームス 弦楽六重奏曲第一番 第二番(その3)

むせかえるような濃密な芳香。

ラルキブデッリによるブラームスの弦楽六重奏曲を聴いた同時に感じたのが、
これだった。

濃密なだけではなかった。
むせかえるような、とつけたくなるほどな芳香の強さだった。

もちろんイヤな芳香だったわけではない。

でも、なせか、私はそういう芳香に、怖れをなすところがあるというだけだ。

聴いていて、ラルキブデッリのブラームスを、もし20代のころ聴いていたら、
さらには10代のころだったら……、そんなことを想像もしていた。

もしかすると、むせかえるような濃密な芳香とは感じなかったかもしれない。
香りたつ、そのぐらいの感じ方だったかもしれない。

少なくとも、怖れをなす──、そんなふうには感じなかったはずだ。

それだけではなかった、感じたことは。
これまでをふり返って、こういう時代が私にはあっただろうか……、
そんなことすらおもっていた。

むせかえるような濃密な芳香といえる時期。
それを、青春と呼ぶのかもしれない。

でも、そうは呼びたくない、という気持も聴いていて感じていた。

菅野先生はよく「若さはバカさ」といわれていた。
「若さはバカさ」といえることは、誰にでもあろう。
思い出して、恥ずかしさでいっぱいになって、音楽を聴いていてひとり赤面するような。

それもラルキブデッリのブラームスを聴いていて、あったことだ。

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