Cinema Songs(その4)
四時間における変化要素はいくつもある。
アンプやCDプレーヤーのウォーミングアップのこともあるし、
スピーカーに関しても、少々意味あいが違うが、やはりウォーミングアップといえることはある。
特に喫茶茶会記のスピーカーのように、
私を含めて、複数の人が鳴らしているスピーカーでは、
前に鳴らしていた人の癖のようなものを払拭するという意味でも、
ある一定の時間は必要となる。
たいてい18時ごろから音を鳴らしはじめる。
三時間後、21時すぎあたりからの音が、鳴りはじめてきたな、と感じられる音である。
だから最初にかけていたディスクは、21時すぎにもう一度かけるようにしている。
「Cinema Songs」も、もう22時近かったけれど、もう一度鳴らした。
「Cinema Songs」には、
ボーナストラックとして12曲目に「セーラー服と機関銃 Anniversary Version」が収められている。
1981年の、この歌を、当時はそれほどいい歌とは感じてなかった。
ヒットした曲だから、一番の歌詞は記憶していた。
二番、三番の歌詞はそのころはほとんど知らなかった。
二番、三番の歌詞まで、つまり「セーラー服と機関銃」という歌を最後まで聴いたのは、
それほど昔のことではない。
20年ほど前に、薬師丸ひろ子の歌が無性に聴きたくなった。
新品で買ったもの、中古で買ったもの、
薬師丸ひろ子のCDを揃えた。
そのとき初めて「セーラー服と機関銃」を最後まで聴いた。
三番の歌詞、
スーツケース いっぱいにつめこんだ
希望という名の重い荷物を
君は軽々と きっと持ちあげて
笑顔見せるだろう
ここまで聴いて、いい歌だなぁ、と思った。
三番の、ここのところは聴くだけでなく口ずさむこともある。
重い荷物を、実際の重たさ以上に重たそうにもつ人が少なくない。
そういう人が少なくないように、昨今は特に感じる。
そういう人は笑顔を見せない、しんどそうな顔をする。