メリディアン ULTRA DACを聴いた(トランスポートとのこと・その2)
パイオニアのPD-D9の動作は問題なかった。
安心して、いろんなディスクがかかる。
特に不満もなかったけれど、
スチューダーのD731との組合せの音が耳に残っている。
やはりD731と組み合わせてみたい、とどうしても思ってしまう。
D731のオーナー、Kさんによると、
内部をいじることでデジタル出力を44.1kHzに変更できるはず、ということだった。
D731の内部は、今回初めて見た。
Kさんによると、
メイン基板の横にある小さな基板の電源供給を止めれば変更される──、
ということだった。
その状態ではULTRA DACがロックしない。
メイン基板をよく見ると、44.1kHzという表示がある。
ジャンパーを差し替えることで、48kHzから44.1kHzへの変更が可能になる。
このへんはプロ用機器だな、と感心する。
マニュアルが手元になくても、基板を見ればわかるようになっている。
ジャンパーを入れ替えて、もう一度ULTRA DACと接続すると、今度は44kと表示された。
これでD731とULTRA DACの組合せでMQA-CDが聴けるようになった。
この音は、やはりいい。
KさんにD731をお願いしてよかった、と思える音が鳴ってくる。
それに厳密な比較を行ったわけではないが、
通常のCDを聴く場合でも、デジタル出力は48kHzよりも44.1kHzのほうがよく感じる。
D731のトレイは安っぽい。
国産の、いまどきの高価なCDプレーヤーの造りを見慣れた目には、
ほんとうに安っぽく映る。
もうそれだけでいい音がしそうにないと思う人も少なくないだろう。
それにD731のシャーシーもまた安っぽい。
薄い鉄板だし、ネジの数も少ない。
高剛性の筐体や、アルミの削り出しの筐体ばかりに見ている人には、
もうこれだけでいい音は絶対にしないはず、と決めつけるであろうほどだ。
それでも、不思議と音はいい。
とにかくヴィヴィッドなのだ。