「新しいオーディオ評論」(その13)
組織を長く維持存続していくには、②替えの利く〝有能〟が、
一番重要であるということは理解できる。
①替えの利かない〝有能〟は、いつかその組織を離れていく。
独立するかもしれないし、この世からいなくなるのかもしれない。
②よりも①のほうが離職率は高いであろう。
そして、ここでいう組織とは会社だけではなく、その業界も含まれている。
つまり株式会社ステレオサウンドとともに、オーディオ業界も含めての組織である。
菅野先生が10月13日に亡くなられた。
少なくともオーディオのジャーナリズム業界に①の人はいなくなった。
残っている人はすべて②か④替えの利く〝無能〟、
つまりどちらも替えの利く人たちばかりだ。
いまのオーディオ評論家を名乗っている人たちのなかに、
①といえる人がいるとは到底思えない。
こんなことを書くと、いや、○○さんはそうではない、と、
個人名を挙げて反論する人がいるかもしれない。
一人か二人は、○○さんである。
ここで具体的に個人名は出さないけれど、
その人であっても、私には②か④であり、替えの利く人である。
それが悪いとはまではいわない。
ステレオサウンド(というより原田勲氏)が求めたことであり、
それに応えた結果であるのだから、いま、オーディオ業界でメシを喰えているのだから。
つまりオーディオ評論家(商売屋)である。
そしてステレオサウンドは、
さらに替えの利くオーディオ評論家を量産しようとしている、と私には見える。