Digital Integration(デジタルについて・その5)
CDプレーヤーが登場する前に、「デジタルだから、音は変らない」といったことが云われていた。
信じている人は多くは無かったはずなのに、メーカーの技術者の中には真剣に語っていた人もいるときいている。
CDプレーヤーを実際に聴く前から、そんなことはあり得ない、とは多くの人がわかっていた。
D/AコンバーターのLSIの手前までは、そういう可能性はあるかもしれないけれど、
D/Aコンバーターの精度・性能、そのあとにつづくアナログフィルターや送り出しアンプの違いがある以上、
音はCDプレーヤーごとに違っていてあたりまえ、のこと。
しかも各CDプレーヤーのによる音の違いは、D/Aコンバーター以降だけの起因するわけでなく、
それ以前のデジタル部も大きく関係していた。
この話は、メーカーの技術者を、やや揶揄するたとえ話として、そのあともときどき活字になっていた。
現実には電源関係の問題・不要輻射などもあって、そうは厳密にはいかないものの、
D/Aコンバーター以降がまったく同じであるならば、
デジタルは本来、D/Aコンバーター以前の違いによって音は変ることはあってはならないことである。
でも実際は違う。
その理由についても、いくつか語られている。