Date: 9月 23rd, 2018
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A CAPELLA(とMojo・その3)

CDの登場は1982年10月。
翌年にはヤマハから10万円を切るCD-X1が出た。

第一世代のCDプレーヤーは、各社どれも15万円ほどか、それ以上していた。
ソニーのCDP101が168,000円だった。

そこにヤマハが99,800円でCD-X1を出してきた。
ヤマハの最初のCDプレーヤーCD1は250,000円していた。

CD-X1は10万円を切った、ということで話題になった。
ヤマハは、CDプレーヤー関連においては、価格的に挑戦していたところがある。
セパレート型が登場後、D/AコンバーターDX-U1を69,800円で出してきていた。

CDプレーヤーの価格に関しては、第一世代とそれ以降の製品を同列には比較し難い。
明らかに国産メーカーの第一世代のCDプレーヤーは、戦略的に価格を抑えていた。

CDP101の168,000円を、いまの若い世代の人たちがどう思うのかはなんともいえないが、
中を見れば、同価格の他のオーディオ機器(アンプ)と比較しても、
儲けが出るのだろうか、と思った。

事実、信頼できるところから聞いているが、
ヤマハのCD1は本来ならば40万円くらいの価格になる中身である。
CD1のことだけ具体的に書いているが、これは他のメーカーも同じだったはずだ。

とにかくCDとCDプレーヤーを普及させたい、というメーカーの意図(思惑)が、
第一世代のCDプレーヤーの価格である。

いま考えると、第一世代のCDプレーヤーは、製品ではあったけれど商品と呼べたのか、と思う。
儲けは出なかった、けれど、ここで普及への突破口となれば、
第二世代、第三世代……で利益をあげることができる、その意味では商品といえるのかもしれないが、
製品と商品について考えるうえで、第一世代のCDプレーヤーは興味深い。

ヤマハのCD-X1を見て触ったとき、
はっきりと第一世代には感じられなかったコストということが、そこにはあった。
CD-X1は利益の出る製品だった。つまり商品といえる最初のCDプレーヤーだったのかもしれない。

CD-X1もDX-U1も、そのころはステレオサウンドにいたから、じっくりと聴いている。
そこでは、音を聴いての驚き、
つまり今回のMojoを聴いての驚きはなかった。

だから、Mojoの音には、その音を聴いたときに驚き、
こうやって書きながら、もう一度驚いているわけだ。

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