世代とオーディオ(JBL 4301・その20)
(その19)に、facebookでコメントがあった。
4301とControl 1の違いは、製品がもつ矜恃の違いみたいなものかも……、とあった。
このコメントに同意される方もいよう。
少なくないかもしれない。
矜恃とは、自信と誇り、と辞書にはある。
さらに、自信や誇りを持って、堂々と振る舞うこと、ともある。
4301とControl 1。
どちらのスピーカーに、矜恃があるかといえば、
見方を変えればControl 1といえる。
Control 1は、それまでのJBLのラインナップにはなかった。
価格的にも、だが、それ以上に製品としてのコンセプトも、従来のJBLとは違う。
BOSEの101の成功を、JBLが後追いしての製品、という見方もできるが、
それだけで果していいのだろうか。
Control 1は成功した。
単なる後追いの製品ではなかったからだ。
だからControlシリーズが展開していった。
4301は、というと、コンシューマー用モデルのL16が、
4301の登場の数年前からある。
4301は、L16をベースにしたプロフェッショナル用ともいえる。
4331、4333といったスタジオモニターには、
L200、L300といったコンシューマー用モデルがあった。
L200、L300があっての4331、4333ではなかった。
4301は、そこが違う。
こういったところを冷静に見ていくと、製品の矜恃をどう捉えるかによっても違ってくるが、
一概にControl 1に矜恃がない、とはいえないし、
このことで4301とControl 1の違いを考えていくのは、少しばかり危険ではないだろうか。