オーディオは男の趣味であるからこそ(その12)
リスニングルームは、男の城だ、
昔のオーディオ雑誌には、そんなことが書いてあった。
レコード(録音物)をひとりで聴くための空間をリスニングルームだとすれば、
借家住まいであっても、どんなに狭い部屋であっても、リスニングルームを持てる。
けれど借家住まいでは持てないリスニングルームがあるのも事実である。
増改築もしくは新築することでしか持てない空間としてのリスニングルームがある。
その意味でのリスニングルームは、男の城と呼べるものだろう。
城だ、と思う一方で、
借家住まいであっても、その空間はオーディオマニアにとっては聖域であるはずだ、
とも思う。
城を建てることはたいへんなことだし、
城を建てられる人もいれば建てられない人もいる。
建てられなくとも、聖域は持てる。
けれど城ということにこだわっていると、聖域ということを見失ってしまうかもしれない。