確信していること(その24)
ピラミッド型の音のバランス。
昔からいわれ続けている。
でも、いまはどうなんだろう……。
10年ほど前だったか、
ピラミッド型の音のバランスは、低音のいちばん低いところがピークで、
高域にいくに従ってダラ下がりのレスポンスのことだ──、
そんな理解をしている人がいるのを知って、愕然としたことがある。
フラットレスポンスが理想であって、
それはピラミッド型ではなく、上(高域)にいくに従ってとがっていく形ではなく、
低域から高域まで幅が一定の形でなければならない──、
そんな主張があった。
個人サイトだったし、どんな人が書いているのかははっきりとはわからなかったが、
どうも私よりも少し上の世代の人のようだった。
世代的にピラミッド型の音のバランスは、いわば常識として理解されているものだと、
私などは勝手に思っていたけれど、どうもそうではないようだ。
ピラミッド型の音のバランスを、そんなふうに理解する(される)のか、
表現の難しさを感じる──、とは思っていない。
ピラミッド型の音のバランスがどういうことなのか、わからない人はそのままで、もういい。
瀬川先生の音を考えるうえで、忘れてはならないのは、
絶対に忘れてはならないのが、ピラミッド型の音のバランスである。
この大事なことを、
「瀬川先生の音を彷彿させる音が出せた」と、私にヌケヌケといってきた知人は、
忘れていたのか、それとも気づいてすらいなかったのか。
もしかするとピラミッド型の音のバランスがどういうことなのかを、
誤解した人であったのか。