537-500におけるVery Near Field(その1)
537-500にしてもLE175DLHにしても、
パンチングメタルを複数枚重ねた音響レンズのところに仮想音源ができる。
昔の175は音響レンズが外せたそうだ。
外した音は、指向特性が鋭くなるばかりか、ホーンの奥に音像が定位するため、
ウーファーとの距離的ズレか気になってくる、といわれている。
175では試したことはないが、
スラントプレートの音響レンズも外した音を聴くと、同じ傾向を示す。
音響レンズは形状の違いはあっても、その位置に仮想音源ができる。
ということは、音響レンズの位置は、Very Near Fieldなのか、と思う。
スラントプレートの音響レンズよりも、
蜂の巣と呼ばれるパーフォレイテッド型は、Very Near Fieldがそこにできている──、
そう思えてならない。
もちろんダイアフラムのところにもVery Near Fieldもある。
実音源のところにVery Near Fieldがあり、仮想音源のところにもVery Near Fieldがある。
そう考えられるとしたら、537-500への考え方は修正の必要が出てくる。
いまでは音響関係のシミュレーションソフトがある。
ほとんどが研究開発用であり、個人が使うには高価すぎるものばかりだが、
これらのシミュレーションソフトを使って537-500を徹底的に解析していったら、
音響レンズ新たな発展を遂げるのだろうか。