想像は止らない……(その2)
JBLのパラゴンのオマージュモデルを、
JBL以外のスピーカーメーカーがつくったら……、
こんな想像をしてみるのは楽しいだけでなく、けっこうしんどい作業でもある。
タンノイ、ヴァイタヴォックス、ソナスファベールなどが候補として浮ぶ。
日本のメーカーだったら、やはりヤマハだろうか、と考えるし、
アメリカのハイエンドオーディオメーカーがもし手がけたとしたら、
いったいどうなるのか──、ここまで来ると想像の範囲を超えてしまいそうだが、
あり得なそうでありながら、もしかしたらあり得るかも……、と思えるところが、
パラゴンはある、と私は感じている。
パラゴンは、あのカタチで完成しているではないか、
あれをいじることは無理だよ──、
そう言ってしまったら、そこで終ってしまう。
ヴァイタヴォックスだったら……は、
私にとって、パラゴンのユニットをヴァイタヴォックスのユニットに入れ替えたら……、
というところから始まっている。
タンノイならば、同軸ユニットを使うのであれば、
ユニットの配置をどう処理してくるのか。
比較的想像しやすいのは、パラゴンではなくメトロゴンだろう。
メトロゴンに同軸ユニットを、と考えたことのある人はきっといるはず。
けれど、ここで考えるのはあくまでもパラゴンである。
どのメーカーであっても、パラゴンの中央の湾曲した反射板を省くことはできない。
この反射板にしても、オマージュモデルは、メーカーが違えばずいぶんと違ってくるはずだ。
それから反射板両脇のホーン開口部。
ここの処理も、開口したままにしておくメーカーもあればそうでないメーカーもあるだろう。
パラゴンのオマージュモデルで、私がまず想像しはじめたのは、
全体の姿ではなく、反射板、開口部とか、そういった部分部分から、であった。
そういう始め方をすると、ソナスファベールだったら──、
正確にいえばフランコ・セルブリンだったら──、とまず思ってしまう。